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「美容コラム」化粧品開発者が語る、スキンケアの基礎知識 03

テカらず内から潤う肌に導く洗顔とは? もっとも重要なのは"洗う◯◯"です。

2018.06.22 update

皮脂浮きが起こるメカニズムとは

「顔がテカってしまうのが気になって、朝も夜も洗顔します」という方がいます。顔が皮脂でテカってしまうのはなぜなのか?まずは皮脂浮きが起こるメカニズムからお話ししましょう。腸内環境と一緒で、肌の上には善玉と悪玉の皮膚常在菌がいます。善玉の菌は、美肌菌ともいわれる表皮ブドウ球菌といいますが、この表皮ブドウ球菌は皮脂を分解し、保湿成分であるグリセリンと短鎖脂肪酸というものを作る働きがあります。

皮膚常在菌が皮脂を分解することで肌は健やかな弱酸性に保たれている

短鎖脂肪酸は、肌のpH値を弱酸性に整えてくれる存在です。肌にとってpH値というのはとても重要で、弱酸性の環境は肌にとってターンオーバーを順調に整えるための必須条件です。肌のターンオーバーの指令は、肌表面の古くなった角質が脱落することで出ます。そして、古くなった角質を脱落させるための酵素は、弱酸性の環境でないと働かないのです。つまり肌が弱酸性に保たれていないと、古い角質が肌表面に残りやすくなり、角質のターンオーバーのリズムは乱れてきます。

例えば、アトピー状態にある肌のpH値をはかると、弱酸性の状態からはずれて中性に近づいていることが非常に多いです。肌に本来備わっているターンオーバー機能を改善するには、肌を弱酸性の環境に保つことが必須条件といえます。

洗えば洗うほど崩れる肌のバランス。気をつけるべきは"洗う頻度"!

しかし、洗顔による第一のデメリットといえるのが、この表皮ブドウ球菌も洗い流されてしまうことです。表皮ブドウ球菌が減ってしまうと、皮脂の分解力が下がり、皮脂がそのまま油として肌の上に残って"皮脂浮き"の状態に。これが、テカりが助長されてしまうメカニズムです。

また、洗顔による第二のデメリットは、角質と角質の間を埋めて潤いが逃げるのを防いでくれている細胞間脂質も、一緒に洗い流されてしまう点です。細胞間脂質が減ってしまうと肌の水分を保持する能力が一時的に下がりますが、健康な肌であれば細胞間脂質の状態は24時間くらい経つと元に戻ります。しかし「朝も晩も洗顔をする」となれば、細胞間脂質が健やかな状態へとリセットされる前にまた細胞間脂質を洗い流してしまうことになります。これでは、肌の水分はどんどん逃げやすくなり、いわゆるインナードライ状態に至ってしまうのです。つまり、洗う頻度は少ないほうが良い、洗顔は夜だけで十分なのです。

肌の上で皮脂から作り出されるグリセリンと短鎖脂肪酸の凄さ

表皮ブドウ球菌によって皮脂が分解されてできるグリセリンと短鎖脂肪酸は、水に溶ける成分です。なので、皮膚常在菌のバランスが整っている人は、実は洗顔料を使わなくても、水ですすぐだけでも肌がある程度さっぱりすると思います。朝も晩も洗顔していたのを、夜の洗顔だけにすると初めのうちは油浮きしたような感じがあって、気になるかもしれません。しかし、皮膚常在菌のバランスが整っていくとその症状は落ち着いてくるはずです。

きちんと皮脂が分解されてできたグリセリンと短鎖脂肪酸は、角質細胞に吸収されることで水分保持に働き、肌の表面に浮いてくることはありません。しかし皮脂の状態では、角質細胞に吸収されないため浮いてきます。これこそが、表皮ブドウ球菌が成せるワザ、美肌菌と呼ばれる所以です。洗顔の頻度が上がってしまうと、この肌に備わっているすばらしい皮膚常在菌の働きを損なってしまうことは、ぜひ知っておいて頂きたい事実です。

内側から潤う美肌づくりは洗顔の頻度が鍵を握っています

また、角質層では消滅してしまっているのですが、その下の表皮層にはアクアポリンという"肌に潤いを巡らせる水路"と呼ばれるものがあります。実は最近、このアクアポリンにグリセリンが通れることがわかったのです。つまり、皮膚の上でグリセリンを作り出せる状態というのは、角質細胞だけでなくその下の表皮細胞の活性にも役立つということ。よくいわれている"内側から潤う肌"づくりを目指すなら、洗う頻度がどれほど重要か、ということになります。

その上で、洗う時にはきちんと洗顔料を泡立てて摩擦を軽減しましょう。基本の「き」ではありますが、なんといっても擦ることが肌に最もダメージを与えるので、洗う時も肌を拭く時も、とにかく擦るのはNGです。あとは、あまり長い時間、洗顔料を肌にのせすぎないことも大切です。泡パックのような感覚で洗顔料を使う方もいるかもしれませんが、30秒〜1分程度で流した方が良いと思います。

バリア機能が壊れて敏感肌になってしまった場合には、1つ目の質問にあったようなナノ粒子の吸収というリスクも、より現実的なものになってしまいます。肌が弱い、荒れやすい、バリア機能が弱っているようなサインを感じた方は、ぜひ明日からクレンジングや洗顔の仕方も見直してみてください。

夜はクレンジング剤+洗顔料とW洗顔になるのは仕方ない?

また、夜は洗顔だけでなくいわゆるメイク落としをしてから洗顔をする方もいらっしゃいますよね。これについては、本当にW洗顔が必要かどうか、自分が使っている日焼け止めやファンデーションの成分表示を一度確認してみてください。成分の語尾に「〜メチコン」とか「〜シロキサン」といったシリコン類の成分が配合されている場合。とくに、これらのシリコン類が成分表の上位に表示されているものというのは、ウォータープルーフ力が高いので、クレンジングできちんと落とす必要があります。

クレンジング剤も使ってW洗顔をすると、より細胞間脂質は洗い流されやすくなります。肌を擦り過ぎないことと同時に、すすぎの際は体温以下のぬるま湯ですすぐようにするなど、肌へのダメージをできるだけ減らしましょう。また、こういったシリコン類が入っていない、あるいは成分表の下位に表示にされていてごく微量であれば、実は石けんだけでほぼ落とすことができます。とはいえ、肌の弱い方、肌の自活力を培って美肌を保ちたい方は「石けんで落とせます」という説明書きの日焼け止めやメイクアイテムを使って頂くのがベストと思います。

次回は、洗顔料の種類とおすすめの肌タイプについてお話ししましょう。

Profile

茂田正和
スキンケアアドバイザー・化粧品開発者・日本皮膚科学会正会員
日東電化工業ヘルスケア事業部にて開発責任者を務めるほか、バランスケアアソシエーションを主宰する。皮膚科医、ヘアメイクアップアーティスト、美容ライター、料理研究家とともに真の美容のためのライフスタイルを提案するセミナーやワークショップを運営。

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